6月1日~2日、埼玉県本庄市の国登録有形文化財「旧本庄商業銀行煉瓦倉庫 (本庄市銀座1-5-16)」の内部が一般公開された。渋沢栄一が設立した深谷市の旧日本煉瓦製造会社製の煉瓦を使って、明治29年に清水店 (現在の清水建設) が建てた煉瓦倉庫である。のちに菓子店工場兼店舗に使用されていたが閉店して、現在は市が管理している。市が早稲田大学に調査を依頼すると、まだ十分に使用に耐えるということで、市民の意見を聞いて今後の利用法を考えるという。
元々は銀行が融資の担保とした高価な大量の繭を保管するため、入念に通風と防火を配慮して設計された建物である。繭は通風と温度管理がとても重要なのだとか。これは幕末の横浜開港で生糸が高値で取引されて関東一円で生産が急拡大したことが背景にある。
渋沢は煉瓦の大量生産をする以前、明治5年には富岡製糸場を作って養蚕の育成を図り、雇用や融資まで考慮した全体のビジネスモデルを構築している。そして生産された上質な生糸は日本の主要な輸出品として成長した。今日、社会全体のことを考えず目先の自らの利益のみを追う現代の経営者や投資家、そしていわゆるブラック企業は渋沢の哲学を学んで欲しいと思う。
使用カメラ:ニコンD800. レンズ:FX16-35mm, 24-85mmVR, 70-200mm f/4.
|
|