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2013年10月28日掲載

丹羽 諭   Satoshi Niwa ルポルタージュ
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 武蔵国カメラ風土記24 彫刻・石仏・埴輪   New Work
 Sculptures, Stone Buddhist Images and Clay Images in Musashi Province


旧妻沼市(現在は熊谷市)の歓喜院聖天堂、通称「妻沼聖天」は平成24(2012)年7月に国宝の指定を受けた。文化庁の解説に「奥殿は多彩な彫刻技法が駆使され、さらに色漆塗や金箔押などによる極彩色を施してきらびやかに飾る」とあるように、日本を代表する装飾建造物のひとつである。武蔵国にはこの他にも特筆すべき装飾建造物があまたある。社殿の彫刻が左甚五郎作だという伝承も多く、日光東照宮の造営に携わった職人達が関東各地に定着して腕をふるったのだろう。

また、お寺の仁王像、神社の狛犬、お地蔵さん、双体道祖神などにも魅力あるものが多い。そこですでにこのサイトで紹介したものも含めて再構成して見た。本庄市の「笑う埴輪」熊谷市の「踊る埴輪」を見ると古代から遊び心豊かに像が作られたのだと思う。その創造性は驚くほどに高い。

使用カメラ:ニコンD800, D600, D7000. レンズ:DX16-85mm, FX16-35mm, 24-85mmVR, 24-120mmf/4, 28-300mm, 70-200mmf/4.


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01 秩父「金昌寺」仁王像 迫力ある仁王像だ。秩父4番札所でお寺全体が市指定史跡。秩父市山田1803。

02 秩父「金昌寺」
   十一面観音菩薩像
4メートル80センチの石の観音像。覆屋に安置され、奈良東大寺大仏殿のようにお顔の所に窓がある。

03 秩父「金昌寺」酒飲み地蔵 観音堂回廊の子育て観音は有名だが、多くの石仏群でも知られるお寺だ。左手の杯を逆さにして頭に載せ、右手に徳利を持つがもう酒は飲みませんというこの石仏も人気がある。石仏群は県指定文化財。 (武蔵国カメラ風土記21秩父往還を参照)。余談だが、かの自民党の政治家、荒船清十郎氏の墓が観音堂わきにある。

04 秩父「清雲寺」お地蔵様 春のしだれ桜で知られたお寺。秩父市荒川上田野690。

05 秩父「童子堂」仁王像 秩父22番札所で市指定史跡。ユーモアあふれる仁王様である。秩父市寺尾3595。

06 秩父「聖神社」龍の彫刻 奈良時代初めにこの黒谷で銅が発見されて神社が創建された。社殿は昭和39年に秩父市中町の今宮神社社殿(江戸中期)を移築、彫刻は桃山期の遺風を残すという。秩父市黒谷2191。

07 秩父「秩父祭り会館」
   屋台の妙見様
秩父平氏は妙見様を信仰し、秩父夜祭の屋台にその彫刻がある。説明によると妙見信仰は古代バビロニアからインド、中国を経て日本に仏教と共に伝来、平安時代に北辰祭として伝えられた。秩父夜祭は武甲山の男神と秩父神社の女神の年に一度の逢瀬の時でもあるという。秩父神社隣の秩父祭り会館に屋台と笠鉾を常設で展示している。秩父市番場町2-8。

08 秩父「法泉寺」六地蔵 秩父24番札所で市指定史跡。境内から市内を一望出来る。秩父市別所1586。

09 秩父「ほっとすぽっと秩父館」
   大黒様
巨大な神棚で知られているが、そこに大黒様が鎮座する。武蔵国カメラ風土記22 秩父往還2を参照。秩父市宮側町18-2。

10 秩父「栃本」石仏 秩父往還の栃本集落にある。相当に古い。

11 秩父「三峰神社」オイヌサマ 三峰神社は狼を神の使いの御眷族様と呼ぶ。一般には「オイヌサマ」と呼ばれるが、このオイヌサマはなんとも茶目っ気のある表情だ。武蔵国カメラ風土記21 秩父往還を参照。秩父市三峰298-1。

12 秩父「三峰神社」彫刻 回廊の彫刻。本殿は県指定有形文化財。

13 寄居「今市地蔵堂」
   木造地蔵菩薩立像
鎌倉街道上道(かみつみち)に面して今市地蔵前交差点わきにある。平安時代末から戦国時代にかけて周辺は畠山氏、藤田氏など多くの武蔵武士団が館を構えた地域で鉢形城も近い。菩薩像は3.14メートルの高さがあり、室町時代作と推定される寄木造り。木造でこれだけの高さがある地蔵は県内でも珍しく、現在は子育て地蔵として知られているという。町指定文化財。寄居町今市532。

14 本庄牧西「双体道祖神」 本庄市牧西の藤田小学校の前、旧中山道の反対側にある。武蔵国カメラ風土記18 中山道の鴻巣、熊谷、深谷、本庄宿を参照。

15 本庄市立歴史民俗資料館
   「笑う人物埴輪」
笑う人物埴輪は全国的にも珍しく市指定考古資料。建物は明治16年築の旧本庄警察署で県指定有形文化財。武蔵国カメラ風土記18 中山道の鴻巣、熊谷、深谷、本庄宿を参照。本庄市中央1-2-3。

16 本庄「金鑚神社」彫刻 極彩色の社殿は市指定有形文化財。武蔵国カメラ風土記18 中山道の鴻巣、熊谷、深谷、本庄宿を参照。本庄市千代田3-2-3。

17 本庄「金鑚神社」狛犬 なんともユニークな表情だ。

18 本庄「金鑚神社」狛犬

19 嵐山町「鎌形八幡神社」彫刻 社殿は拝殿を兼ねた覆屋で、本殿はその中にあり、町指定有形文化財。木曽義仲産湯の清水(井戸)がある源氏ゆかりの古社である。春には神社わきの土手で流鏑馬の奉納がある。武蔵国カメラ風土記1 東国の武士団武蔵国カメラ風土記7 源平合戦を参照。井戸は町指定史跡。嵐山町鎌形1993。

20 越生「龍穏寺」経蔵の虎の彫刻 経蔵は江戸の天保年間の建立で県指定有形文化財。外壁に道元禅師一代記の彫刻がある。境内には戦国武将の太田道真、道灌父子の墓もある。武蔵国カメラ風土記11 比企の戦国を参照。越生町大字龍ヶ谷。

21 ときがわ「慈光寺」
   観音堂の彫刻
県指定有形文化財の木造千手観音立像が安置された観音堂の彫刻。建物はときがわ町指定有形文化財。寺は1,300年の歴史があり、文化財の宝庫として有名。ときがわ町西平386。

22 東松山「岩殿観音正法寺」
   おびんずる様
表情がちょっと怖いかも…。なでると病が治ると言われている。武蔵国カメラ風土記3 神社仏閣の彫刻を参照。東松山市岩殿1229。

23 深谷「はら君」人面線刻土製品 深谷市の幡羅遺跡で出土したカマドの神様。武蔵国カメラ風土記23 熊谷市在家遺跡を参照。国の重要文化財クラスの出土品である。深谷市東方。

24 熊谷「久下の権八地蔵堂」 平井権八は歌舞伎で「白井権八」として知られた実在の人物。地蔵堂前には奉納された小さなお地蔵さんが並ぶ。鴻巣側の久下の土手下、鴻巣市内の勝願寺にも権八地蔵がある。地蔵堂は熊谷市指定有形民俗文化財武蔵国カメラ風土記18 中山道の鴻巣、熊谷、深谷、本庄宿を参照。熊谷市久下2342-5。

25 熊谷「妻沼聖天」彫刻 武蔵国カメラ風土記9 妻沼聖天の彫刻を参照。熊谷市妻沼1627。

26 熊谷「妻沼聖天」彫刻

27 熊谷「妻沼聖天」彫刻

28 熊谷「踊る埴輪」 実物は東京上野国立博物館で展示中。写真は荒川の押切橋たもとの押切橋南公園にあるレプリカ。武蔵国カメラ風土記15 古墳を参照。

29 鴻巣「鴻神社」狛犬 恐ろしげな表情だ。鴻巣市本宮町1-9。

30 桶川「泉福寺」仁王像 山門の石の仁王像。桶川市川田谷2012。

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