渋沢栄一は明治29(1896)年に開校した出身地、深谷市血洗島の八基尋常高等小学校(現、深谷市立八基小学校)に創立以来たびたび多額の寄付をしたが、大正10(1921)年に市民の寄付で商業高校設立が企画されると、ここにも多額の寄付をしたという。翌年、渋沢82歳の時に学校を訪れて「至誠」「士魂商才」の額を揮毫した。士魂商才とは武士の精神と商人の才能をいう。その書は現在も学校の宝として飾られている。
渋沢は企業、社会福祉法人だけでなく多くの学校設立にも関わった。現在の一橋大学、東京女学館、日本女子大学、東京経済大学、二松学舎大学、国士舘大学などである。
深谷商業高校には創立時の和洋折衷のニ層楼の建物(国登録有形文化財)が現存している。埼玉県で唯一当時の姿を残す学校建築で「深商記念館」として知られる。だが痛みが激しく埼玉県が平成23(2011)年から修復工事に入って、この程工事が完了した。今まで白色系の外観だったが、行田市のものつくり大学の横山研究室の調査で当初は萌黄色とわかり、その色に復元されて深谷市の新たなシンボルに生まれ変わった。
これを記念して、深谷市出身で深谷商業高校を中退して実業界に入ったというドトールコーヒーの創業者、鳥羽博道氏が渋沢の胸像を寄贈。平成25(2013)年10月26日同窓会の主催でその除幕式と完成記念祝賀会があった。OB達は喜びの表情で建物を見学した。(学校住所:深谷市原郷80番地)
使用カメラ:ニコンD800. レンズ:FX24-120mmf/4, 28-300mm, 70-200mmf/4.
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