群馬県中之条町の国指定建造物の名主宅「富沢家住宅」に行った。文化庁のデータベースに、江戸時代後期、寛政4(1792)年頃の建築「桁行24.1m、梁間12.9m、2階建、入母屋造」とある大型の養蚕農家で、外観が美しい。
三国街道の脇往還沿いにあり、役人が休憩、または宿泊するため、書院造の座敷がある。土間が広く、そこに馬屋が4つもあった。役人の馬を繋ぐのと、越後の物資を吾妻郡の各地へ運ぶために複数の馬がいた。越後の物資とは米、塩、干物の類だろうか。富沢家は養蚕と米作の他、金融、運送業など幅広く商いをしていたらしい。なお、1階は自由に見学出来るが、2階の蚕室は立ち入れない。
富沢家から町の中心部に向かう途中に、廃校「旧町立第四中学校」の建物があった。門柱は「伊参スタジオ公園」。平成8(1996)年に公開された小栗康平監督の映画「眠る男」の撮影にこの校舎が使われ、当時、話題になった。断って撮影をさせてもらった。
町の中心部には県指定建造物「歴史と民俗の博物館ミュゼ」があった。明治18(1885)年に当時の県令「楫取素彦」らの指導で建てられた「旧吾妻第三小学校」の建物を博物館にしている。ところが、うかつにも、取材に行った日は木曜日で休館日。塀が邪魔になり外観すら撮影出来ない。仕方なく、この日はあきらめて帰った。
その後、仕事の取材が続いたため、約3ヶ月後に再び中之条町に行った。「歴史と民俗の博物館ミュゼ」の館内は撮影不可だったが、展示の内容が充実していて参考になった。そしてありがたい事に、小学校時代を再現した一つの教室と廊下のみ撮影が出来た。
そのあと、四万温泉に向かい、国登録有形文化財「積善館」の外観を撮影した。昭和5(1930)年築の三階建。四万温泉を象徴する旅館として知られている。
使用カメラ:ニコン D750, D500, D7200. レンズ:AF-S 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR, AF-S DX 16-80mm f2.8-4E ED VR, AF-S DX 55-200mm f/4-5.6G ED VR II, AF-P DX 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR.
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