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2013年3月26日掲載・2013年8月28日追記

丹羽 諭   Satoshi Niwa ルポルタージュ
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 埼玉の双体道祖神
 Coupled Gueardians in Saitama   First appearance on the Web: September 23, 2011


8月には長野県の安曇野と山形村、朝日村の双体道祖神を取り上げたが、今回は埼玉県の双体道祖神を取材してみた。インターネットで検索して出かけたものの場所がわからずあきらめた所もあるが、13箇所は撮影する事が出来た。特に埼玉県北部に集中しているようだが、都市化や集落の高齢化のために石仏全体が保存に影響を受けているようであった。また、一部を除き、その性格から野ざらしのため、風化が激しく顔かたちがよくわからないものもあった。また今回ネットで調べても統計的にまとまったHPがなく、下調べにちょっと時間がかかり、撮影にも約10日間を要した。

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01 滑川町羽尾 滑川町羽尾1074。宝暦10年の銘がある。47号深谷東松山線の羽尾地区にある。市野川橋の深谷寄りで、路地を少し住宅街に入った所にある。足の悪い人が願をかけ、治ると履物を供える信仰がある。ドウロクジンと呼ばれている。滑川町指定有形民俗文化財。

02 滑川町羽尾

03 滑川町羽尾

04 寄居町牟礼 明和2年酉年の銘がある。比較的保存状態は良好。男女が肩を組み、手をつないでいる。場所は村の中心地の、道路に面した個人所有地の畑の脇にあるが、車で走っていると見落としやすい。見学の際は畑を荒らさないよう細心の注意が必要。背景を考えると写真にはイチオシの双体道祖神だ。寄居町指定有形民俗文化財。

05 寄居町牟礼

06 寄居町牟礼

07 熊谷市「香林寺」 熊谷市東別府799。曹洞宗香林寺境内にある。宝暦12年の銘。左側の男神が右側の女神の肩を抱いてお神酒を交わし、女神は裾を乱し足を露にしたユニークな道祖神。すぐ近くには中世の城跡、東別府氏舘跡(現東別府神社)がある。

08 熊谷市「香林寺」

09 熊谷市押切 熊谷市(旧江南町)押切700。寛政10年の銘がある。深谷方向から旧江南町に向って押切橋を渡って左側に八幡神社があるが、その先、集落の中にある。こちらもドウロクジンと呼んでいる。滑川と同じく足の神様。弥勒菩薩像と祠の中に並ぶ。熊谷市指定有形文化財(歴史資料)。

10 熊谷市押切

11 熊谷市押切

12 児玉町「淵龍寺」 本庄市児玉町金屋883。真言宗淵龍寺山門のすぐ前右手の植込みの中にある。小さいうえに風化が進んでいるので 見落としやすい。

13 児玉町「淵龍寺」

14 児玉町太駄(本泉) 本庄市児玉町太駄(本泉)地区。44号線の太駄から鬼石方向杉ノ峠に向う途中の集落で、双体道祖神はないが、道祖神や庚申塔などが一箇所に集められている。集落の高齢化や道路工事などでこうしたケースは多い。

15 深谷市本田 深谷市(旧川本町)本田4360。寛政12年の銘がある。秩父鉄道武川駅下車。本畠駐在所交差点の先、69号深谷嵐山線八幡歩道橋わき四つ角のフェンスの中にある。ブリキのわらじが奉納してあった。

16 深谷市本田

17 深谷市本田

18 深谷市沼尻 電柱のすぐ脇にある。向って左側の女性が左手を男性の肩にまわし、右手にはとっくりを手にして、男性は左手に杯を持っているように見える。非常にくだけた双体道祖神様だ。

19 川越市「高松寺」 川越市大中居312。川越線南古谷駅下車、大中居の八坂神社近くにある。高松寺本堂裏手のブロック塀内側に馬頭観音などの石仏と共に並んでいる。かなり風化していて、かろうじて道祖神とわかる。

20 川越市「高松寺」

21 川越市「高松寺」

22 川島町「八幡神社」 川島町吹塚830。坂戸方向から県道74号線の天神橋を渡って少し脇道に入った神社入口の祠に庚申塔と共に鎮座している。越辺川を渡って坂戸に至る村境にあたる。

23 川島町「八幡神社」

24 川島町「八幡神社」

25 秩父市寺尾 双体道祖神ではないが、秩父市の44号線の寺尾地区にある庚申塔などが道路工事で一箇所に集められている。

26 秩父市巣場 秩父市大滝241。秩父鉄道三峰口からだと荒川の白川橋手前を左折し、曲がりくねった道の突き当りを左折すると巣場地区に出る。非常に道が狭く注意が必要。クルマは手前で止めて歩いたほうが無難。斜面の畑の祠に鎮座し、高さ47cmで小型。造立は江戸中期。ここでも地元はドウロクジンと呼ぶ。秩父市指定有形民俗文化財。

27 秩父市巣場

28 秩父市巣場

29 美里町「稲荷神社」 児玉郡美里町駒衣595。県指定無形民俗文化財「駒衣の伊勢音頭」がある稲荷神社境内で道路に面して鎮座する。男神と女神双方笑みを浮かべ、肩に手をまわし、片方の手を握りあっている。

30 美里町「稲荷神社」

31 美里町「稲荷神社」

32 本庄市牧西 旧中仙道沿いの藤田小学校前(バス停あり)の空き地の木の根元に馬頭観音と並び、なぜか道路を背にしている。風化して表情はわからない。

33 本庄市牧西

34 嵐山町「千手院」 嵐山町千手堂759。曹洞宗「千手院」入口に鎮座する。風化で表情はわからない。裏側はお地蔵様と思われる像が彫ってある。周囲はなだらかな起伏のある田園地帯だ。

35 嵐山町「千手院」

36 秩父市「橋場の双体道祖神」 秩父市荒川白久308。秩父鉄道白久駅から秩父30番札所法雲寺に向う途中の橋場区にある。お稲荷さんの先、坂を登りきった所の左手に小さな畑があるが、その奥の林の中にある。前回の取材では気が付かなかった。向って左が男神。右側の女神は像がはっきりとわかる。秩父市指定有形民俗文化財。
(2013年8月28日追記) 

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