長野業政の上州箕輪城 First appearance on the Web: January 17, 2013
Minowa Castle in Takasaki City, Gunma Prefecture
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作家の池波正太郎「剣の天地」(新潮文庫)に中世の名城のひとつ、長野業政(または業正)の上州箕輪城の名がある。最近では中村彰彦「乱世の名将 治世の名臣」(講談社2012年7月)に、いの一番に長野業政が登場している。戦国時代、業政は箕輪城を拠点に関東管領山内上杉家を支え続け、上州が甲州武田氏や小田原の後北条氏に侵略されるのを防いで人々に人望があった。
箕輪城は平山城で、深堀と泥田に囲まれた面積約30ヘクタールという広大な城で、武田や後北条の軍勢を幾度も撃退して難攻不落と言われた。しかし業政が71歳で没すると、永禄9年(1566)子の業盛19歳は武田に敗れて自決、落城してしまった。その後、城は武田、織田、後北条と支配者が交代し、さらに徳川の井伊直政が城主になるが数年で廃城となってしまった。ために現在の遺構の大半は井伊氏の時代のものと考えられている。
業政はその知略と勇猛さに加えて人情も篤かった。武田信虎と信濃の村上義清に敗れた真田幸隆を箕輪城に保護していたが、武田が信玄に代替わりすると、真田家の将来を考えた幸隆がひそかに武田側に走ってしまう。恩を仇で返すことになるが、業政は幸隆の苦しい胸の内を察してわざと見逃したという。箕輪城は国指定史跡。群馬県高崎市箕郷町明屋地区。
カメラ:ニコンD800。レンズ:FX24-120mm, 28-300mm。
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