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2017年7月1日掲載

丹羽 諭   Satoshi Niwa ルポルタージュ
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 日光中禅寺湖畔の旧イタリア、イギリス大使館別荘   New Work
 Former Villas of Italian and British Embassy, Lake Chuzenji, Nikko, Japan



栃木県日光市中禅寺湖畔の旧イタリア、イギリス大使館の両別荘(栃木県日光市中宮祠2482)が公開されている。イタリア大使館(国登録有形文化財)は以前からの公開で、何度か行っている。イギリス大使館は昨年から公開された。

両別荘は中禅寺湖畔の大駐車場に車を置き、湖沿いの道を歩いて10分程の所にある(一般車両は進入禁止)。手前がイギリス大使館、その先がイタリア大使館。辺りは記念公園として整備され、緑の環境が素晴らしい。入館料を払って館内に入ると、どちらも湖側が全面ガラス張りで解放感が抜群。共に館内は有料でお茶が飲めるので、椅子にゆったりと座り、湖を眺めながらお茶を楽しむのも悪くない。

イタリア大使館は昭和3(1928)年にイタリア大使館の夏季別荘として建った。外壁と内装に日光杉の樹皮と杉板を使い、洋風と和風が調和した別荘らしい建物だ。代々の大使の別荘として利用され、平成9(1997)年に栃木県に寄贈。建具、家具類なども復元されて当時のままに大使館別荘としての雰囲気が保たれている。

今回、初めて知ったが、イギリス大使館の建物は、幕末から明治の初めに活躍したイギリスの外交官、アーネスト・サトウが明治29(1896)年に個人別荘として建てたのが初めだった。サトウは薩摩、長州と幕府の交渉の過程に深く関っている。

明治29(1896)年は日清戦争が終結して清国政府との交渉で列強の「三国干渉」を招いた翌年で、この頃、中禅寺湖周辺に多くの外国人別荘が建てられるようになったらしい。サトウはこの中禅寺湖畔の風景が故国、英国に似ていると、気に入ったようだ。特に、湖に面した3段の石垣「三段テラス」は、彼が特に注文して造成されたという。復元工事で石が積み直されている。

このイギリス大使館の建物は平成20(2008)年まで利用されていた。以前、イタリア大使館の撮影に来た時、柵の外から子供達が遊んでいるのを見かけている。平成22(2010)年に栃木県に寄贈され、復元工事が行われた。建物の外観がちょっと近代的な感じがしないでもないが、解説によると、傷みが激しく、ゼロベースで建て直したとか。
栃木県Webサイト 中禅寺湖畔施設のページ
http://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/27eikoku/kaienbi.html

使用カメラ:ニコン D500, D7200. レンズ:AF-S DX 16-80mm f2.8-4E ED VR, AF-S DX 55-200mm f/4-5.6G ED VR II, AF-P DX 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR.


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01-22 旧イタリア大使館別荘


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