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2019年2月27日掲載

丹羽 諭   Satoshi Niwa ルポルタージュ
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 「デ・ラランデ邸」   New Work
 House of Georg de Lalande in Edo-Tokyo Open Air Architectural Museum



東京都立小金井公園内の「江戸東京たてもの園」に東京新宿区信濃町の洋館「デ・ラランデ邸」が移築されている。説明を見ると、この洋館は初めは気象・物理学者の北尾次郎が建てた木造平屋の建物だった。

この北尾次郎が何者か検索すると、松江藩の医者の家に生まれ1869(明治2)年に15才で東京開成学校、現在の東大に入学、ドイツ留学の後に東大教授、1907(明治40)年に死去した気象学の功労者だ。

この建物を、1910(明治43)年頃にドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデ (Georg de Lalande) が3階建ての洋館に改築した。彼は1914(大正3)年に41歳で病没しているから、この洋館での生活は4年程だ。この改築後の古写真を基にラランデが住んでいた当時の姿を想定して復元された。

ラランデは1903(明治36)年に来日、神戸市の国指定建造物「トーマス家住宅(風見鶏の館)」の他、東京、横浜で多くの住宅、オフィスビルを設計した。しかし、トーマス家住宅とこの信濃町の洋館以外は残っていないらしい。従ってこの洋館はラランデが残した貴重な1棟という事になる。

1956(昭和31)年からは1919年(大正8)年に乳酸飲料「カルピス」を開発した三島海雲という人が住んでいた。公益財団法人「三島海雲記念財団」のホームページを見ると、1902(明治35)年に中国大陸に行き、今の内モンゴル自治区で酸乳、馬乳酒等の発酵乳に出会ったのが開発のきっかけという。

この三島が1974(昭和49)年に亡くなってからは1999(平成11)年まで三島食品工業(株)が事務所に使用した。当時、信濃町に住んでいた住人が、ブログで、この会社は庭で養蜂をしていたと書いている。

ラランデ邸は1階の食堂がカフェ「武蔵野茶房」になっていた。自宅の深谷市から車で来て、渋滞で2時間半程かかっている。コーヒーとアップルパイを注文して休息をしてから撮影を始めた。建物内の撮影はカメラが壁や家具等に当たらないよう神経を使う。終わってから再びカフェでカレーライスとコーヒーの昼食を摂った(敬称略)。

参考サイト:
  江戸東京たてもの園 184-0005 東京都小金井市桜町3丁目7-1。
  https://www.tatemonoen.jp/

使用カメラ:ニコン D500, D7500. レンズ:AF-S DX 16-80mm f/2.8-4E ED VR, AF-S DX 55-200mm f/4-5.6G ED VR II.


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35 神戸トーマス家住宅「風見鶏の館」

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